東野圭吾

第7回中央公論文芸賞 受賞
 

山田涼介 主演
映画化 2017年9月23日 ロードショー
(出演 西田敏行 尾野真千子 etc…佐藤浩市さんの息子さん 寛一郎さんが映画初出演)

原作 あらすじ
強盗に入った敦也、翔太、幸平の3人は、その逃走中にアクシデントに見舞われ、廃屋に逃げ込む。
身を潜める中、なぜかその廃屋の郵便口に 一通の手紙が放り込まれた。

3人が忍び込んだ廃屋は〔ナミヤ雑貨店〕
かつて雑貨店の店主 波矢が、商売のかたわら、寄せられた悩み相談に回答をするということで有名な店だったのだ。

手紙を読み、面白半分に返事を書いた3人だったが、
次第に、手紙が過去と繋がっていることに気づくー。

過去から送られてくる悩み相談に、真剣に向き合うようになる3人。
時を超えて届く手紙が、彼らの未来を変えたー

繋がった奇跡が包み込む、心優しくあたたかなストーリー。



東野圭吾せんせ、ぽくない?感を感じる方も多いかもですが、
張り巡らせた伏線を ものの見事に絡めとっていくその様は、まさに東野圭吾そのものといえるでしょう。

東野圭吾史上、もっとも泣ける物語 と謳われてますね。
とてもとても あたたかなお話です。


まず〈手紙〉っていうのが いい。
人間味とか温度とかがあって。
面と向かってるときにはない、したためたものと向き合う姿勢とか、自分のペースで反芻したりだとか。
手紙を書くときの気持ちとか、読むときの気持ちとかって、
やっぱりそれはそれで特別な伝え方、伝わり方だと思うから、
例えば、全くおんなじやりとりを口頭でしても、その伝導は違うものなんじゃないかなって思ったりするんです。
そういう面でも、やっぱり手紙っていうのは、特別に感じます。

悩み相談をする側っていうのは、どうしたらいいのかアドバイスが欲しくて手紙を書くのだろうけど、
書くという行為のなかで、自分の気持ちを見つめ直して、心の中を整理できるっていう利点があると思うんだよね。

でも、相談を受ける側にとっては、自分の回答によっては、相手の人生を左右させるのではという責任を感じたりもして。
まぁ最終的に自分の道を選ぶのは自分なわけで、決定を下すわけではないのだけれども。。

だったらなんで相談を受けるのか。責任やリスクを感じながらも、頭を悩ませ、相談を受けるのか。
それは、悩みを聞いてあげることに、心に寄り添ってあげることに、なにより大切な意味があるからなんじゃないかなー。

相談者もそれに一番救われるんじゃないのかな。。
やっぱり良いよね、手紙って。


こういうのはどうでしょう。
悩み相談の手紙を書くんです。未来の自分に。
それは書いたと同時に、どんどん過去の手紙になっていくでしょう。

届いたその時には、自分が結果的に どの道を選んで、どのようになったのかわかっていることと思います。
それを踏まえて、過去の自分に、いったいどんなアドバイスを届けるのでしょう。

未来からみても、選んだ道しかみえない。
選ばなかった道の景色は 知る由もない。
過去の自分にしてあげられることは、さて 何だと思いますか?



偶然。必然。
5つのエピソードに散りばめられた伏線。 
そのすべてが繋がったとき、奇跡にやさしく包まれ ゆるむ涙腺。

映画〈ナミヤ雑貨店の奇跡〉は本日公開
是非、原作とともにお楽しみください♪

時空を超えた たった一夜だけの奇跡に、ぜひとも希望の光をば